110 臨時報告書による開示対象子会社の範囲の適正化
金融庁は、「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」を、平成24年 9 月28日に公布し、パブリックコメントの結果も併せて公表した。
この内閣府令は、オリンパス等の粉飾事件を受けて、「売上高等の小さな会社に係る高額な対価による子会社取得について、金融商品取引法上の開示が行われていなかった」との指摘から、臨時報告書の提出事由に、以下の要件を加えることとされた。
子会社の取得を決定した際に、
当該子会社取得の対価の額が提出会社の直近最終事業年度の純資産額の15%以上となる場合
連結子会社による子会社取得の対価の額が連結会社の直近最終事業年度の純資産の15%以上となる場合
つまり、下記の場合に臨時報告書の開示が必要となる。
「子会社取得の対価の額」≧直近最終事業年度の提出会社の純資産額15%
または、
連結子会社による「子会社取得の対価の額」≧直近最終事業年度の連結会社の純資産額15%
「子会社取得の対価の額」については、実質的に、一連の子会社の取得行為として判断される会社等については、その会社の取得の対価も、「子会社取得の対価の額」に合算して判断することになる。
また、「子会社取得の対価の額」には、株式(持分)の売買代金や、対価としての自己株式、子会社取得に当たって支払う手数料、報酬その他の費用等の額が含まれるので、思わぬ開示漏れとならないように、注意が必要である。
この内閣府令は、平成24年10月1日からの施行となっている。