122 平成25年3月期版 有報の作成・提出に際しての留意事項
平成25年3月29日、金融庁は、平成25年3月期以降の「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項」等を公表した。
主な要旨は以下のとおりである。
1.新たに適用となる開示制度・会計基準等はない。
2.平成25年4月1日以後開始する事業年度(翌事業年度)から「退職給付に関する会計基準」を適用する会社については、「未適用の会計基準等に関する注記」を、重要性の乏しいものを除いて記載する必要がある。
3.最近の課徴金事案及び自主訂正事案を踏まえた留意事項
ア.無形固定資産の減損について
最近の課徴金事案においては、特にソフトウェアやのれん等の無形固定資産についての減損不足が指摘されている。
イ.貸倒引当金等の引当金の計上
最近の課徴金事案、自主訂正事案においては、貸倒引当金等の引当金の計上不足となっている例も多く認められる。
ウ.連結子会社等における会計処理について
最近の課徴金事案、自主訂正事案の特徴の1つとして、発行会社の連結子会社等における不適切な会計処理が発覚したことにより、有価証券報告書を訂正する事例が増加している。
連結子会社等における会計処理の留意事項は、某大手光学機器・電子機器メーカーの粉飾決算の影響によるものと思われる。不正に対する監督が、厳しくなっているので、コーポレートガバナンスには要注意である。