内容: 社会福祉法等の一部を改正する法律案が、3月31日、今国会において、可決成立しました。
この主な改正内容は、以下の通りです。
- 議決機関としての評議員会を必置
- 役員・理事会・評議員会の権限・責任に係る規定の整備
- 親族等特殊関係者の理事等への選任の制限に係る規定の整備
- 一定規模以上の法人への会計監査人の導入
- 情報開示対象書類の拡大等
- 内部留保の明確化と、社会福祉事業等への計画的な再投資
- 地域における公益的な取組を 実施する責務の明確化
- 介護人材確保の強化
本改正法案は、前国会において、衆議院を通過し、参議院において継続審査となり、今国会において、3月23日、参議院において、法律番号の年表示のみ修正されて、修正決議され、今国会の衆議院に戻っておりました。
衆議院の厚生労働委員会では、3月30日に提案理由を省略の上、採決され、可決し、 3月31日に、衆議院本会議で、可決されました。
今後も、法改正の情報を定期的に、発信してまいります。 何か、ご不明の点などございましたら、監査法人アリアまで、ご連絡くださいませ。
皆さんは、今秋の臨時国会で成立する予定の社会法人法が改正についてご存知でしょうか。
改正法案の内容は、おおきく、制度の改革と人材確保の促進に分けられます。
◆制度の改革
① 経営組織のガバナンスの強化
・議決機関としての評議員会の設置義務 (小規模法人については経過措置あり)
※一定規模以上の法人への会計監査人の導入
② 事業運営の透明性の向上
・財務書類・現況報告書
・役員報酬基準等の公表に係る既定の整備
③ 財務規律の強化
・役員報酬基準の公表
・「社会福祉充実残額」の明確化
・「社会福祉充実残額」を保有法人に対して事業の計画作成の義務付け
④ 地域における公益的な取り組みを実施する責務
⑤ 行政の関与の在り方 ・所轄庁による指導監督機能の強化
◆福祉人材の確保の促進
① 介護人材確保に向けた取り組みの拡大
② 福祉人材センターの機能強化
③ 介護福祉士の国家資格取得方法の見直しによる資質の向上等
④ 社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直し今回の社会福祉法人法改正案は、一部を除き平成29年4月1日施行を予定しています。
会計監査人導入の対象となる法人様は、早めの準備が必要です。監査法人アリアは、長年、社会福祉法人様の支援に携わっている実績があり、 社会福祉法人を取り巻く現場を知る監査法人です。
今回の法改正についてご質問等ございましたら、何なりとお問合せください。
企業会計基準委員会は「退職給付に関する会計基準」(以下、平成24年改正会計基準)及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」(以下、平成24年改正適用指針、会計基準と適用指針を総称して「平成24年改正会計基準等」)が公表されてから2年が経過した。
退職給付会計の改正では、「未認識項目の処理方法」、「退職給付債務及び勤務費用の計算」、「開示の拡充」などの改正項目が規定されているが、早期適用は平成25年4月1日以後に開始する事業年度の期首から可能となっている。
平成26年3月期決算で早期適用を行った連結財務諸表作成会社は32社となっている。その内、28社が全ての項目を同時に早期適用していた。
強制適用開始時期は改正項目ごとに規定されているが、まだ適用していない企業では適用するにあたっての論点整理を行う必要があると思われる。
平成26年6月25日に金融庁から新規上場企業の開示規制を緩和する企業内容等の開示に関する内閣府令(案)が公表された。
主な改正内容は、新規上場時の有価証券届出書に掲げる財務諸表を現在の5年分から2年分に短縮する点と、
非上場のIFRS適用会社が初めて提出する有価証券届出書の連結財務諸表は比較情報を含む最近連結会計年度分のみの記載で可とするものである。
(金融庁HP_「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)」等の公表について)
http://www.fsa.go.jp/news/25/sonota/20140625-2.html
こちらは平成26年8月下旬に公布・施行される予定である。
金融商品取引法第24条第6項及び企業内容等開示府令第17条1項において、5年ごとに定款を有価証券報告書に添付することが求められている。
平成26年3月期の有価証券報告書の提出では、定款を添付しなければならない会社が多くなると思われる。
というのも、5年前の平成21年3月期に株券の電子化を受けて上場企業が一斉に定款を変更した経緯があるためである。
この5年間で定款に変更等がなかった会社は、有価証券報告書に定款を添付する必要がなかったが、この平成26年3月期がちょうど5年目となり再提出の時期になる。
5年前に定款を添付して以降、定款に変更がなかったため提出してこなかった会社と、定款に変更があったものの変更箇所のみの提出で全文を添付しなかった会社は留意する必要がある。
平成26年度の税制改正で、復興特別法人税が1年前倒しで廃止されることが決定した。
これに伴い、非上場株式を相続・贈与する場合の評価をする上で控除される法人税額等相当額の割合が、現行の42%から40%へと引き下げられる。
非上場株式を相続・贈与する際に、当該株式の評価を純資産価額方式で行う場合、一株当たりの評価額は以下の算式で求められる。
(総資産価額-負債の合計額-評価差額に対する法人税額等に相当する金額)÷発行済株式数
この内、「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」が、復興特別法人税の廃止により、40%へと引き下げられることになる。
企業会計基準委員会(ASBJ)は、平成26年3月31日に第284回企業会計基準委員会(平成26年3月27日開催)議事概要において、平成26年度地方税制改正に伴う税効果会計についての検討事項について公表した。
復興特別法人税が廃止され、平成26年10月1日以後開始する事業年度から「法人住民税法人税割」「地方法人特別税」「法人事業税」の税率改正、「地方法人税」が創設されたことによるものである。
本改正は、地域間の税源の偏在性を是正することを趣旨とするものであり、地方税と国税を合わせた税負担は変わらないことから、原則として法定実効税率に変更はないこととされている。
なお、公布日と決算期の関係により、取り扱いが異なるため、留意が必要である。
企業会計基準委員会(ASBJ)は、平成26年3月24日に第10回IFRSエンドースメント作業部会を開催し、IAS19号「従業員給付」の過去勤務費用について議論した。
過去勤務費用は給与水準の改訂等に起因して発生した退職給付債務の増加または減少部分を指す。
日本基準では、この過去勤務費用について、遅延認識を採用しており、将来期間に渡って徐々に当期純利益に反映させていく処理を適用している。一方、IFRSでは、即時認識を採用しており、発生した年度に発生した全額を当期純利益に反映させている。
この違いについて、以下の3つの案が提示されている。
①日本基準をベースに、過去勤務費用を当期純利益に遅延認識する。
②権利確定した過去勤務費用については純損益に即時認識し、権利が未確定の過去勤務費用については権利確定するまでの期間にわたって純損益に認識する旧IAS19号における過去勤務費用の規定をベースとして、過去勤務費用を当期純利益に遅延認識する。
③即時認識する処理を修正せずに受け入れる。
過去勤務費用は当期純利益に対するインパクトが大きい項目であるため、今後の動向に注目する必要がある。
自民党は、平成26年3月4日に、通常国会に提出する「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」を取りまとめた。
金融商品取引法改正案の概要は、下記のとおり。
1.新規上場企業の内部統制監査は、3年間免除される。但し、一定規模の企業については免除されない
2.投資型クラウドファンディングの参入要件を緩和
3.証券会社が組成する「投資グループ」に限って投資勧誘できる新たな非上場株式の取引制度を創設する
4.大量保有報告制度の適用対象から、自己株式が除外される
5.大量保有報告提出者の事務負担が大幅に減少される
金融庁は平成26年1月14日、改正財務諸表等規則案を公表した。金融庁は平成26年3月から連結財務諸表を作成している会社などを対象として単体開示の簡素化を図る方針である。
簡略化が図られる主な内容は次のとおりである。
・本表について会社法の要求水準に合わせるため新たな様式を規定
・注記について連結で十分な開示が行われている項目の免除
・セグメント情報を開示している場合、製造原価明細は開示免除
これは国際的な財務報告の流れや財界や実務の意向を考慮した改正であるが、有用性が薄くなった財務報告の簡素化は財務諸表利用者の観点でも有意義と思われる。
以上