ごあいさつ

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043 公開草案「リース」

 2010年8月17日、国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)は、公開草案「リース」を公表し、同年10月15日に企業会計基準委員会(ASBJ)は当公開草案の日本語訳を公表した。公開草案では現行のIAS第17号「リース会計」を大幅に改訂しており、今回はその概要について紹介する。

 公開草案ではリースの会計処理の考え方に『使用権モデル』の採用を提案している。これにより借手及び貸手の会計処理が大幅に変更されることになる。
 借手はファイナンス・リースとオペレーティング・リースの分類が廃止され、オペレーティング・リースをリース契約時にリース資産・リース負債として認識することになる。
 貸手は原資産に伴うリスク又は便益に対するエクスポージャーを留保するか否かに応じて会計処理が異なる。重要なリスク又は便益を留保している場合には履行義務アプローチ(原資産の認識を継続し、さらにリース料受取債権とリース負債を認識する。これは現行のオペレーティング・リースをより厳格に処理したものと考えられる。)を適用し、留保していない場合には認識中止アプローチ(現行のファイナンス・リースと同様の処理)を適用することになる。

 この公開草案の公表により、また日本の会計基準の改訂も検討されるであろうから今後も注目していく必要がある。