082 資産除去債務 小売業へのB/Sに与える影響が顕著に
平成23年3月期より「資産除去債務に関する会計基準」(企業会計基準第18号)が適用となった。当該会計基準の適用を受け、小売業における資産除去債務の総資産に対する比率が1.06%と、電力業に次ぐ高さであるという興味深い調査結果がある。
小売業では、賃貸資産等を多用し、事業展開しているという特性により、当該会計基準の影響を大きく受けていると考えられる。特に小売業の中でも外食産業は、2.07%と影響が顕著にあらわれ、小売業平均値の倍の結果であった。また、過去の退店実績をもとに使用期間を合理的に見積もることが可能であるため、小売業では負債計上を見送った会社は少ないのも要因の一つに挙げられるのではないだろうか。