083 IFRS適用の行方
9月2日に成立した野田内閣において、自見金融担当大臣が再任された。自見大臣は6月にIFRS適用時期に関する発言が注目されたが、その発言は大臣の政治主導によるものではないようであり、今回の再任がIFRS適用時期を左右するものではないと考えられる。
IFRS適用時期に関連するニュースとしては、大臣よりもむしろ金融庁参与の方が興味深い。大臣再任に先立ち、8月29日付でIFRSの検討のために任命された参与には、学者やアナリストは含まれず、3名全員が経済界の出身である。
現在のところ経済界は、IFRS適用に5~7年の準備期間を置くなどの米国の方針に追随する動きを見せており、参与がこのような経済界の意見を代弁していくであろうことを踏まえれば、日本のIFRS適用は米国に追随するという構図が改めて浮き彫りになったと見ることもできるのではないだろうか。