084 日本板硝子がIFRSを任意適用
日本板硝子は、2012年3月期第1四半期報告書からIFRSを任意適用して開示した。これで、任意適用を行った会社は、日本電波工業、HOYA、住友商事に続き4社目になります。
内容を見てみると、IFRS移行に伴い、営業利益に対して大きな影響があり、その影響額は2011年3月末で+8,515百万円(137.9%増)、2011年度第1四半期で+3,717百万円(59.3%増)となっています。内訳としては、「のれんが償却されない」ことに伴う費用の減少と退職給付会計における「数理計算上の差異が包括利益として処理される」ことによる費用の減少が、影響額の大半を占めています。
このように、IFRSを適用することでかなり財政状態や経営成績が変わるため、投資家にとってはIFRS適用会社と非適用会社の比較は非常に難しい。比較可能性のなさは、国際競争の中、資金調達面や様々な面で企業を非常に不利な立場に追いやることになる。
東京商工リサーチのアンケートによると、105社が既にIFRSの任意適用を検討しているとのことだ。企業が国際化の流れを汲み取って、早期に自主的に適用を行っていく姿勢は非常に重要である。もたもたと議論が進まない企業会計審議会や金融庁を企業が引っ張っていくよう、これからの企業の自主的なIFRSに対する取り組みに期待したい。