089 米国がIFRS導入の意思決定を延期
平成23年12月5日、米国の会計基準設定団体であるSEC(米国証券取引委員会)の主任会計士は、米国のIFRSの導入に関する意思決定をまとめた最終報告書の完成が、数か月遅らせる見通しであることを発表した。
当初、米国では、IFRSの導入の是非や導入方法などについて、2011年中に、決定することを予定していた。しかし、今回の発表により、米国は、IFRS導入の是非について、2011年中には発表されないことが明らかになった。
今年は、IFRSと米国基準とのコンバージェンス(会計基準の内容を近づける作業)が進んでおり、米国基準は、IFRSとほぼ同等の内容に近づいていた。このため、米国は、IFRSを直接適用するのではなく、米国基準の中にIFRSを取り込みながら米国基準を適用する「コンドースメントアプローチ」という導入方法を検討しているところであった。
米国のIFRS導入の是非とその導入方法は、日本を含めた世界各国に与える影響が大きい。今回のSECの主任会計士も「コンドースメントアプローチ」に前向きな発言をしているが、最終的に米国が、どのようなIFRS導入方法が発表されるのか、注目される。