100 退職給付に関する会計基準の改正
2012年5月に、IFRSに関するコンバージェンス活動の一つで、非常に重要な論点である退職給付の改正作業が完了し、改正企業会計基準「退職給付に関する会計基準」と「退職給付に関する会計基準の適用指針」が公表された。
従来、未認識の数理計算上の差異及び未認識の過去勤務債務については、退職給付引当金に加減されて貸借対照表に計上されていたが、改正基準では、税効果を調整した上で純資産の部(その他包括利益累計額)に認識されるようになる。また、負債に計上される退職給付引当金は、「積み立て状況を示す額」である退職給付債務と年金資産の差額が計上されることとなる。
退職給付債務や勤務費用の計算方法、注記方法の見直しもなされているため、留意すべきである。
当改正については、未認識の数理計算上の差異及び過去勤務については2014年3月期に係る連結財務諸表から、退職給付債務・勤務費用の計算方法については2014年4月1日以後に開始する事業年度から適用となる。