106 会社法制の見直しに関する要綱案の検討
法務省は7月18日、法制審議会会社法制部会会議を開催し、事務職側から提示された「第一次案」をもとに「会社法制の見直しに関する要綱案」の検討を実施した。
これによると、以下の事項が検討されたようだ。
1.監査・監督委員会設置会社制度の創設
2.社外役員の独立性の強化
3.監査役の監査人の選解任・報酬に関する決定権の付与
4.多重代表訴訟制度の創設
社外取締役の義務化については、経済界の反対により見送られたようである。
「多重代表訴訟制度」とは、親会社の株主が子会社の役員に対して株主代表訴訟を提起できる制度のことである。これまでは親会社の株主は子会社の役員を直接追及することはできず、親会社の役員が子会社の役員を兼務する場合等が多いため、親会社の取締役を通しての追及も難しかったことが背景にある。
今回の法改正の検討からも分かるように、これから監査・監督に関する法整備がより一段となされることになる。