124 企業結合会計基準の審議再開
企業会計基準委員会は、企業結合に関する会計基準の改正案の意見募集を行い、平成25年4月25日の第263回企業会計基準委員会にて内容の報告を行った。
企業結合の各論点に関して規定の明確化を望む声が多数あった。各論点のコメントの概要は以下のとおりである。
①支配が継続している場合の子会社に対する親会社の持分変動
個別財務諸表上の会計処理について、非支配株主から自社の株式のみを対価として追加取得する子会社株式の取得原価は、当該子会社の適正な帳簿価額による株主資本の額に基づいて算定するという点について再検討すべきだ。
②当期純利益の表示
公開草案の提案を支持する意見があったが、非支配株主に帰属する利益を含めて当期純利益として表示することには反対であるという意見があり、慎重に決定する必要がある。
③取得関連費用
企業結合における取得関連費用について、発生した事業年度の費用として処理する公開草案の提案に賛成するという意見が複数あった。
④暫定的な会計処理
企業結合年度の翌年度において、暫定的な会計処理の確定に伴い、取得原価の配分額に重要な見直しがなされた場合、見直しの内容及び金額の注記は不要とすべきという意見があった。
当初計画されていたのれん、支配の喪失、全部のれん方式については、改正が見送られたが、審議継続を求める意見があったようだ。
審議が順調に進めば、今年の夏にも改正基準が公表される見込みとなっている。