005 債券の保有目的区分の変更に関する当面の取扱いを廃止
平成22年3月17日、企業会計基準委員会は実務対応報告第26号「債券の保有目的区分の変更に関する当面の取扱い」を、適用期限であった平成22年3月31日で廃止することを決定した。
一昨秋における金融市場の混乱を背景に、国際会計基準審議会が「金融資産の保有目的区分の変更」を公表したことに伴い、日本においても債券の保有目的区分の変更に関して当面の取扱いが示されていたが、当実務対応報告第26号の適用事例が少数に留まっており、最近の経済環境下においては必要性が乏しいことなどを理由に最終的に廃止が決定されたようである。
また、保有目的区分の変更を行った場合には、その後の事業年度以降も残高が存する限り当該変更に関する追加情報の注記が求められていたが、適用期間満了後はこの注記は求められなくなった。
上記当面の取扱いの廃止により、従前通り売買目的有価証券に分類した債券を満期保有目的債券へ変更することは認められなくなるなどの影響が生じるため留意されたい。