法務省は7月18日、法制審議会会社法制部会会議を開催し、事務職側から提示された「第一次案」をもとに「会社法制の見直しに関する要綱案」の検討を実施した。
これによると、以下の事項が検討されたようだ。
1.監査・監督委員会設置会社制度の創設
2.社外役員の独立性の強化
3.監査役の監査人の選解任・報酬に関する決定権の付与
4.多重代表訴訟制度の創設
社外取締役の義務化については、経済界の反対により見送られたようである。
「多重代表訴訟制度」とは、親会社の株主が子会社の役員に対して株主代表訴訟を提起できる制度のことである。これまでは親会社の株主は子会社の役員を直接追及することはできず、親会社の役員が子会社の役員を兼務する場合等が多いため、親会社の取締役を通しての追及も難しかったことが背景にある。
今回の法改正の検討からも分かるように、これから監査・監督に関する法整備がより一段となされることになる。
Ministry of Justice held a board of committees on July 18 2012 to discuss revision of the companies act based on a first draft submitted by staffs.
According to the minute of this meeting, discussion seemed to cover the topics as below.
1. Foundation of the audit/supervising committee
2. Reinforcement of independency of the outside directors
3. To give a right to determine the appointment and remuneration of independent auditors
4. Multiple shareholders’ derivative action
Proposition on obligatory outside directors has been deleted from the draft due to the strong opposition from economic circles.
Multiple shareholders’ derivative action is a system that renders shareholders of a parent company a right to make a shareholders’ derivative action against directors of its subsidiaries. This reflects the context that shareholders of a parent company was not allowed to make such an action against directors of its subsidiaries before, and since directors from a parent company often become directors of its subsidiaries as well, it has been hard to make an action towards their responsibility.
As you can see in this discussion, audit and supervision over companies will become lawfully more reinforced in the future.
金融庁より、7月6日、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」が公表された。この改正は、「退職給付に関する会計基準」及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」の改正に伴う、用語等を修正するもので、連結財務諸表に限られた改訂。
主な改訂内容は、主に2つある。
まず、退職給付会計基準等における、「退職引当金」を「退職給付に係る負債」とし、「前払年金費用」を「退職給付に係る資産」とすることとされる。
次に、これまでオフバランス処理されていた「未認識数理計算上の差異」及び「未認識過去勤務費用」等については、「退職給付に係る調整累計額」等の科目で「その他の包括利益累計額」の項目に表示され、その発生額や費用額等は、連結包括利益計算書(又は連結損益及び包括利益計算書)上、「退職給付に係る調整額」等の適切な科目で「その他の包括利益」の項目に表示することとなる。
この他にも注記の拡充が織り込まれている。
この改正案は、現在、改正案に対する意見募集中であるが、問題なく施行されれば、平成25年4月1日以後に開始する事業年度から適用することになる。