ごあいさつ

ようこそお越し下さいました。
このページは、アリアメンバーが最新の業界情報についてアップロードしております。
経済情勢や基準等が目まぐるしく変化する昨今、少しでも参考にして頂ければ幸いです。
なお、文中の意見に係る部分は各メンバーの私見であり、法人の見解とは関係がありません。

103 監査基準等の見直し(その2)

2012.07.05

日本語/Japanese|

金融庁は平成24年6月27日に企業会計審議会監査部会を開催し、監査基準の見直しについて議論した。
委員から会計不正に対する監査基準の見直しに際しては、海外動向、特に米国の監査基準に留意すべきという指摘がなされた。
日本では、近年、会計不正が増加傾向にあったが、米国では大型の会計不祥事が発生していない。
このため、結果的に、米国のルールの方が不正に対しては、有用だったということでしょうか?
両基準の違いとしては、例えば、以下の点が指摘されている。
・不正のリスク評価に際してのリスク要因分析は、米国では必須とされているが、日本基準では要求されていない。
・日本では「監査証拠による反証がない限り、通常、記録や証憑書類を真正なものとして受け入れることができる」が、米国では、「規定の要求を弱める」という理由で削除されている。
そのほか、監査事務所レベルの対応として、会計不正に対する教育、不正対応の専門家(フォレンジック、不正検査士等)の活用なども有用という指摘がなされている。
今後の企業会計審議会監査部会の議論に注目である。

103 Reform of the Audit Standards – 2

2012.07.05

英語/English|

Financial Services Agency held a discussion on June 27, 2012 on the reform of the audit standards.

Committees made a comment that they should be consistent with other countries’, especially with US audit standards.

While accounting frauds are increasing these days in Japan, nothing big has recently happened in the U.S. Therefore, we wonder whether rules and regulations in the U.S. are more effective. The differences between both audit standards are the followings:

– It is required to analyze the risk factor in the risk evaluation of the fraud in the U.S. while it is not in Japan.
– Records and vouchers are considered authentic unless they are proved to be contradictory by other audit proof in Japan while this rule has been deleted from the standards in the U.S. because it could diminish the effect of rules and regulations.

They point out that accounting firms may consider to give education about accounting fraud to their accountants and make cooperation with professionals on fraud (Forensic Accountant, Certified Fraud Examiner, etc.).

It is interesting to see what comes next.

102 監査基準等の見直し

 金融庁は、平成24年5月30日に企業会計審議会監査部会を行い、昨今の不正を踏まえ、監査基準等の見直しを行うこととした。

 その中では、
・「違法行為の発見は監査人の義務ではない」と考える監査人と、「重要な違法行為は監査人に発見してもらいたい」と考える利用者の考えのギャップ(いわゆる期待ギャップ)を埋めるために、広範な監査手続なども議論すべき
・金融庁や公認会計士協会におけるレビューが厳しく、調書の作成に多くの時間が費やされ、実際の監査が行われる時間が減っている
・被監査会社との直接契約による心理的な圧迫感
などの意見があった。

 現在、監査人を頻繁に変更することは、良くないような風潮があるが、積極的な監査人の変更により、新たな視点から監査を受けることも企業の信頼度をあげる上で有用と考えられる。監査人の交代や不正に対応する監査手続の増加は、被監査会社への負担が増加することになるが、それをどう解消していくのか。財務諸表監査のメリットを受ける立場として、監査報酬を、被監査会社のみではなく投資家にも監査報酬の一部を負担してもらうことなども案として考えられるのではないか。

 我が国にも公認不正検査士(CFE)など資格も存在するが、今後これらの専門家の利用が増加していくのであろうか。重要な虚偽表示につながる不正の発見に対する財務諸表監査への期待ギャップをどのように埋めていくのか。今後の議論に注目である。