2011.08.09 (IFRS新着情報) 米国基準の使用期限撤廃へ
金融庁は8月3日、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」を公表しました。
これは6月21日に公表された大臣談話「IFRS適用に関する検討について」において、「米国基準での開示は使用期限を撤廃し、引き続き使用可能とする」とされたことを受け、連結財務諸表規則等の改正を行うもの、と説明されています。従来の使用期限は、日本のIFRS適用が想定されていた2016年とされていました。
ところで、6月21日の大臣発言は新聞等でも大きく取り上げられ、IFRS適用時期は確定していなかったにもかかわらず「延期」と報じられてきました。未確定ではあるものの、2015~2016年の適用が既定路線と考えられていたためです。
「延期」のそもそもの原因は、IASB(国際会計基準審議会)とFASB(米国財務会計基準審議会)が取り組んでいたコンバージェンス作業の遅れや、米国がIFRSを5~7年の準備期間を置くという案を公表したことです。その後国内では、産業界、連合、経団連が次々と要望を公表しましたが、特に強い反対意見は出ていないようです。
今後も、日本でのIFRS適用時期については、米国の対応状況に大きく影響されるものと思います。米国の適用時期や内容は2011年中に判断されることとなっていますから、まずはそれに注目すべきでしょう。
以上