2011.11.22 (IFRS新着情報) IFRS導入に伴うグループ内減価償却方法統一の動向
有形固定資産の減価償却方法をグループ内で統一する動きがみられます。当該動向は、IFRS導入準備・IFRS適用を見据えたものであると考えられます。平成24年3月期第1四半期では、上場企業36社が定率法から定額法へ変更しています。開示例として、東海ゴム工業株式会社の平成24年3月期第1四半期決算短信を見てみましょう。
(減価償却方法の変更)「有形固定資産の減価償却方法については、従来、当社及び国内連結子会社は一部の建物を除いて定率法を採用し、在外連結子会社は定額法を採用しておりましたが、当第1四半期連結会計期間より、当社及び国内連結子会社においても定額法に変更致しました。この変更は、当社グループの有形固定資産の使用実態を検討した結果、定額法による減価償却の方法を採用する方が会社の経済的実態をより適切に反映させることができると判断したこと、及び、当社グループのグローバル展開が進展する中で、海外拠点の重要性が高まっていることから、グループ内の会計処理を定額法に統一する事がより合理的であると判断したため行ったものであります。この変更により、従来の方法と比べて、当第1四半期連結累計期間の減価償却費が889百万円減少し、営業利益及び経常利益は677百万円増加、税金等調整前四半期純損失が746百万円減少しております。」
IFRS導入を見据え、今後も減価償却方法の変更等、会計方針方法を、連結グループで統一する動向は増えるのではないかと思います。また、当該状況について裏を返せば、IFRS導入に当たり煩雑で時間を要する論点の一つである「有形固定資産の償却方法の決定」について早期に対応している企業が増えていることがうかがえます。今後の開示の参考になればと思います。
以上