2011.12.13 (IFRS新着情報) IFRS概観-IASB議長のスピーチを通じて-
今年、日本ではIFRS適用を先送りすると話題になりましたが、米国でも先日、会計基準設定団体であるSEC(米国証券取引委員会)の主任会計士が、米国のIFRSの導入に関する結論の発表時期を遅らせるとの発表がありました。
個別の基準は検討が随時進められていますが、全体としてはどうなっているのでしょうか。 今回は、トゥイーディー卿の後任として今年、IASB議長に就任した、ハンス・フーガーホースト議長のスピーチを通じて、IFRSを概観してみたいと思います。
さて、議長のスピーチとは、2011年11月24日、IFRS財団カンファレンスでのものです。
ここで議長は、国内の全ての上場企業に対してIFRSを要求していないbig4として、中国、インド、日本および米国を挙げています。
この中では、日本が上場会社にIFRSでの開示を認めていることが評価されていますが、話題の多くは、米国に対するものでした。米国に対する関心は、big4の中でもやはり、別格のようです。紙面の都合上、詳しい内容はご紹介することができませんが、斜め読み程度に読まれてはいかがでしょうか。
また、ここでは具体的な基準が出てきませんが、リース会計、収益認識基準、金融商品会計という重要なものが課題として残っています。その後には、概念フレームワークという、これもまた重要で議論の分かれそうなものも控えていますので、まだまだ検討は続いていきそうです。
ところで来年は、IASBの初のサテライト・オフィスが東京に開設されるとのこと。米国だけでなく、日本もこれを機にIASBへの影響力をより高め、IFRSへの移行がスムースに行えるような環境が整っていくことを願うばかりです。
以上