2012.04.24 IFRS新着情報 平成24年3月期の早期適用企業
いよいよ平成24年3月期の決算発表が始まります。IFRSの早期適用に関しては、前年度の日本電波工業、HOYAに加え、今年度は新たに住友商事、日本板硝子、日本たばこ産業が新たに開示の予定です。既に来年度についても、今話題のディー・エヌ・エー(DeNA)が決算説明会にてIFRSの早期適用を表明しており、今後続々と増えていくのではないかと思われます。
今回の早期適用の特徴を検証してみると、IFRSではのれんが非償却になることもIFRS適用理由の一つの誘因としてあげられるのではないかと思います。
例えば、日本たばこ産業やDeNAは貸借対照表にはのれんが多く含まれており、前者の場合はIFRS適用による当期純利益への影響額は960億円で、このうち830億円がのれんの非償却(IFRSではのれんの償却は行わない)によるプラスの影響額です。のれんが定額で償却しているとした場合に、将来の当該企業の損益に対する影響も非常に大きいと思われます。DeNAについても、直近の連結当期純利益が310億円で、連結貸借対照表上ののれんが280億なので、その影響は大きいと言えます。
アメリカをはじめ各国のIFRS適用状況が続々と報告されています。日本では、コンバージェンスが進む一方、各国のIFRS適用状況も注視しながら、その方向性を検討している様子ですが、最近になって各方面における議論が活発になってくる等、IFRSに対する関心が徐々に高まってきているようです。