2012.05.29 IFRS新着情報 ASBJが退職給付に関する会計基準を公表
平成24年5月17日、企業会計基準委員会(ASBJ)は、「退職給付に関する会計基準」を公表しました。
この基準により、未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用が貸借対照表上で認識され、その他の包括利益に計上されることとなりました。
この会計基準の公表は、日本基準とIFRSとの差異を近づけるコンバージェンス作業の一環として改訂されました。今回の改訂では、まだ、IFRSとは完全には一致していません。
今回の改正での適用範囲は、連結財務諸表にのみ適用し、当面の間、単体財務諸表に適用しないこととしています。
「単体財務諸表に関する検討会議」での検討では、「退職給付に関する会計基準」の今改正を、単体の財務諸表に適用すると、金融機関との財務制限条項への抵触等や、年金法制との関係の観点、分配可能額の算定などに大きな影響が有ると検討されています。
このような、会計基準の急激な改変を緩和する一環として、まず連結財務諸表へ適用し、単体財務諸表については慎重な検討を必要とするとのことです。
今後、上記の議論について、日本がどのように対応していくのか注目です。