IFRS最新情報 IASBからのIFRS最新情報を当法人で翻訳・検証し、いち早く皆様にお届けします。

  • IFRS 最新情報
  • IFRS 用語集
IFRS最新情報

一覧に戻る

2013.01.15 IFRS新着情報 減価償却

国際会計基準審議会(IASB)は、昨年12月4日に、IAS第16号「有形固定資産」等の修正案を公表しています(日本語版はこちら)。

これは、減価償却方法の選択についての内容です。
減価償却方法は、資産の将来の経済的便益を企業が消費すると予想されるパターンを反映するものでなければならない。収益を基礎とした方法は使用すべきではない、という指針が追加される案となっています。

ところで、IFRSの減価償却方法としては、定率法も認められているものの、実際に欧州で適用している企業は極端に少ないようです。そのためか、国内企業では、定率法から定額法への会計方針を変更するとの開示が多くみられました。

実際に定額法へ変更した企業の他にも検討を行っているところはありますが、監査人になかなか認めてもらえないという話をよく聞きます。そこで、会計方針の変更に係る監査人の視点について紹介したいと思います。

①経営環境の変更に対応して行われるものであること。
②変更が会計事象等を財務諸表に、より適切に反映するためのものであること。
③変更後の会計方針が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に照らして妥当であること。
④会計方針の変更が利益操作等を目的としていないこと。
⑤会計方針を当該事業年度に変更することが妥当であること。

①~③は企業側としても必要な視点ですが、監査人の視点には④・⑤が加わります。
この④・⑤が問題になり、特に⑤を理解してもらうことが難しくなっているようです。

皆さんが会計方針の変更の注記を確認する際にも、上記のような視点で見てみると、これまでとは違った見え方になるかもしれませんね。

page top