2013.04.09 IFRS新着情報 公正価値測定に関する教育マテリアル(その2)
公正価値測定に関する教育マテリアルについては、以前にも本ページでご紹介したところですが、今回は、具体的な記載内容について何点か確認してみたいと思います。
まず6項には、「その内容は、強制力はなく、IASBの承認を受けていない」とあります。また、和約版では漏れていますが、オリジナルでは1項の上部に、解釈指針を提供するものではない旨の記載があります。これらは、教育文書が基準の一部ではないことの説明です。
次に8項には、「基本的な評価技法を理解していることが期待される」とあります。これは、専門家ではないにしても、ある程度、評価技法への理解のある者を対象にしていることを示しています。
そうであるとすると、IFRSを適用しようとする企業では、本文書を理解できる程度には、評価に関する知識が必要になってくるという見方もできます。
更に13項では、「適切な評価技法又はその適用を変更する結果となるかもしれないが、これは評価技法を継続に適用しなければならないというIFRS第13号の要求に反するものではない」とあります。
これは、単に、評価技法を継続適用すればよいということではないことを示しています。
とはいえ、会計方針には継続性の原則も要求されますから、恣意的にならないよう、適用に当たってはルール設定を要すると考えられます。
最後に、14項です。ここでは「複数の技法の適用による結果を比較できるようにすることが必要となる」とあります。
これは、自社に都合のよい結果が出る評価技法のみを用いるようではダメで、各評価技法により導き出された結果の相違理由までも理解した上で、最適な評価結果を選択することを要求するものです。
これを満足するには、少し勉強が必要になるかもしれませんね。
今回紹介したのは、教育文書の一部ですが、見たことの無い方は、斜め読みででも読んでみてはどうでしょうか。
もし、読んでみて違和感があれば、それは日本人として当然の感覚だと思います。
IFRSは、日本人にとっては、まだまだ違和感のあるものだということを感じてみるだけでも、よいかもしれません。
公正価値測定に関する教育マテリアルは、こちら。