2013.09.17 IFRS新着情報 IFRS採用の波が!「当面の方針」と二つの措置について
今回は、6月に金融庁より示された、「国際会計基準への対応のあり方に関する当面の方針」(以下「当面の方針」といいます)を受けた2つの措置についてご報告します。
【1】8月26日・金融庁
「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等の公表
6月発表「当面の方針」の中で示されたIFRSの任意適用要件緩和に向けて、連結財務諸表規則等における関連規定12本の改正案が公表されました。
http://mpse.jp/abitus/c.p?42ceLSbIbT
改正案の主な内容としてはまず、IFRS採用企業の増加を目指して、IFRSの任意適用が可能な会社(特定会社)の要件から、「上場企業及び国際的な財務活動・事業活動」を撤廃し、「IFRSに基づいて作成する連結財務諸表の適正性を確保する取組・体制整備」のみを残しました。
この要件緩和により、IFRSを適用できる企業は、現行の約600社から4000社程度へと大幅に増加します。
また、各四半期からや上半期からでもIFRSに基づく中間・四半期連結財務諸表の作成が可能となります。
上記の改正を踏まえ、四半期報告書・半期報告書に中間・四半期連結財務諸表の適正性を確保する取組に関する記載が行えるよう、それぞれの様式の「記載上の注意」も改正されます。
同庁では、この改正案に対する意見を9月25日まで受け付けています。
【2】8月27日・企業会計基準委員会(ASBJ)
第1回「IFRSのエンドースメントに関する作業部会」を開催
http://mpse.jp/abitus/c.p?52ceLSbIbT
エンドースメントされたIFRSとは、IFRSそのもの(ピュアIFRS)を構成する基準の一つ一つを検討し、必要に応じて修正や削除を施したものを指します。
「当面の方針」では、IFRS のエンドースメント手続の導入が記載されており、ASBJ が検討を行うこととされていました。
そのため、ASBJでは、今回を含む4回の会議を通じて、日本基準とIFRSとの差異を議論し、IFRSを構成する基準の中で、検討や修正等が必要な論点を洗い出すとのことです。
また、「当面の方針」では、「エンドースメントされたIFRS は、強制適用を前提としたものではなく、あくまでも任意適用企業を対象としたものとして位置づけるべきである。」とされていました。
そのため、エンドースメントされたIFRSの具体的な検討に当たっては、一定の企業が、エンドースメントされたIFRS を採用する意欲があることを踏まえて、これらの企業にとって採用が有用であるように、検討する必要があります。
なお、ASBJでは、来年秋に、これら作業を完了することを目指しています。
強制適用の判断は見送られたままですが、それとは別に、IFRS採用の波は確実に大きく及んできています。
今後もIFRSの動向について、注目して情報をキャッチアップしていくことが必要だと思います。