もう一つの故宮――瀋陽故宮
2023.10.06
皆さま、はじめまして。
監査法人アリアの楊(ヤン)と申します。
故宮と言えば北京にある紫禁城を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は中国の東北地区にはもう一つの故宮があります。今回、皆様にご紹介したいのは、私の故郷にある瀋陽故宮です。
1987年に世界遺産登録された北京の故宮博物院は世界最大の皇宮で、明と清の24代にわたる皇帝の宮城として世界的に有名です。瀋陽故宮は北京故宮と同様、部分的な修繕工事があったものの、外観を大きく変えるような改修がありません。
そのため、400年の年月が経っていても、ほぼ完全に保存されている皇宮建築です。2004年に追加登録され、現在は「北京と瀋陽の明・清王朝皇宮」(Imperial Palaces of the Ming and Qing Dynasties in Beijing and Shenyang)という名称で世界遺産に登録されています。
17世紀初、清の初代皇帝ヌルハチは、後金(後に清と改称)を建国、瀋陽を都城と定め、そして、1625年から十数年かけて瀋陽故宫が建てられました。
瀋陽故宫は北京故宮より規模が小さく、約60,000平方メートルです。
しかし、清朝の清朝の初代皇帝ヌルハチと二代目皇帝の皇太極(ホンタイジ)が創建、使用した宮殿として後に同化される前の満州族早期の独特な歴史文化を反映していると言われています。
清朝は1644年に明朝の滅亡後の中国を支配し、北京に遷都しますが、北京へ遷都した後も、瀋陽故宮は歴代皇帝が東北地方へ巡幸と先祖の陵墓の祭祀に訪れた時に行宮として使用されていました。
(出典:中国旅游海外推广网)
瀋陽故宮は市内中央部に位置し、故宮のすぐ後ろにある「中街」は瀋陽の最も大きい繁華街であり、大型デパートを中心として世界中から様々なブランドショップが進出しています。故宮観光のついでにショッピングもできます。
また、中街にある「老辺餃子館」という瀋陽名物の餃子を楽しめる店があります。その店の創業者である辺福という老人が作った餃子は、当時の皇帝に「当代随一」と賞賛されたという伝説があります。今年、創業195年となり、ギネス世界記録に世界最も歴史が長い餃子の店として認定されている老舗です。
1986年に新宿にも開業し、今は日本にいながらも本場の餃子を味わうことができます。食べログ1位の餃子としても有名のようです。
いかがでしょうか。
中国の清の時代の歴史にご興味がある方、中国の食文化にご興味がある方、
ぜひ一度瀋陽に足を運んでいただき、
中国歴史の重みを肌で、
中華料理の旨みを舌で感じていただければと思います。